ハンセン病を知る講演会 2016年07月27日

2016-08-21 13

ハンセン病を知る講演会

かつて国によって、患者の隔離政策が行われたハンセン病について、正しく理解してもらおうという講演会が27日、山梨県甲府市で開かれました。
この講演会は、ハンセン病について正しく理解し、患者に対する差別や偏見をなくそうと山梨県が開き、講師は東京・東村山市にある国立ハンセン病資料館の学芸員、金貴粉さんが務めました。
この中で金さんは、当時、全国のハンセン病療養所に、逃走した患者を収容する「監禁室」が設置され、裁判を行うことなく、患者を罰していたことについて、「人権侵害の極みとされる場所だ」と説明しました。
そして、「国の隔離政策の根拠となった『らい予防法』が20年前に廃止されても、家族と疎遠になり、故郷に帰れないなど、およそ1500人が全国の療養所で今も暮らしている」と話しました。
また、療養所で暮らす入所者の文化活動についても紹介し、現在も熊本県の療養所で油絵を描き続ける男性について、「絶望の中にあっても、絵を描くという生き甲斐が大きな力になったのではないか」と話していました。
会場にはハンセン病に関するパネルも展示され、訪れた人は熱心に見入っていました。
甲府市の高校1年生の女子生徒は、「病気になっても同じ人間であり、差別をしてはいけないと思うし、自分自身もそういう心を持たないようにしたい」と話していました。
2016年07月27日 18時02分